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世界のヨーグルト事情~日本編(前半)~

日本のスーパーへ行くと、ヨーグルト売り場には驚くほど多くの商品が並んでいます。
これだけ種類があると、日本人は昔からヨーグルトを食べてきたようにも感じます。
ところが、世界の発酵乳文化と比べると、日本のヨーグルトの歴史は意外と新しいものです。

日本独自のヨーグルト文化はどう生まれた?

日本のスーパーへ行くと、ヨーグルト売り場には驚くほど多くの商品が並んでいます。
プレーン、フルーツ入り、飲むタイプ、脂肪ゼロ、高たんぱく。

さらに「LG21」「R-1」のように乳酸菌の特徴を前面に出したものや、地域の生乳にこだわったご当地ヨーグルトまであります。
これだけ種類があると、日本人は昔からヨーグルトを食べてきたようにも感じます。

ところが、世界の発酵乳文化と比べると、日本のヨーグルトの歴史は意外と新しいものです。
それでもこの半世紀ほどの間に、
甘いデザート→ プレーンヨーグルト→ 健康を意識する食品→ 菌の特徴で選ぶ食品→ 機能・栄養・おいしさ・地域性で選ぶ食品へと大きく変化してきました。

なぜ日本には、伝統的なヨーグルト文化がなかった?

日本にも古代の乳文化はありました。
奈良・平安時代には「酪」「蘇」「醍醐」といった乳製品が記録されています。

ただし、乳や乳製品を口にできたのは主に皇族や貴族など限られた人々で、庶民が毎日のように牛乳を飲む文化にはなりませんでした。

中世以降は乳製品の記録も少なくなり、庶民に牛乳を飲む習慣が広がったのは明治時代以降です。
ここが、モンゴルや中央アジアなどの発酵乳文化との大きな違いです。

牧畜地域では、家畜を飼う→ 毎日乳を搾る→ 傷みやすい乳を発酵・乾燥させる
という暮らしの中から発酵乳が発達しました。

日本では、そもそも日常的に乳を利用していなかったため、乳を発酵させて保存する文化も発達しにくかったと考えられます。

その代わり、日本では、米、大豆、魚、野菜を発酵させる文化が大きく発達しました。
味噌、醤油、納豆、酒、酢、漬物。「発酵文化がなかった」のではなく、発酵させる食材が違ったのです。

明治時代、日本にヨーグルトがやってくる

現在のヨーグルトにつながる食品が日本で販売されるようになったのは明治時代です。

1894年ごろには、牛乳を発酵させた「凝乳」が販売され、大正時代には「ヨーグルト」という名称も使われるようになります。

ただし、まだ一般家庭の日常食ではありませんでした。
ヨーグルトの本格的な工業生産が始まるのは、戦後の1950年ごろです。

昭和、日本人に牛乳と乳酸菌が身近になる

ヨーグルトが広がる前に、日本人と「乳」そのものとの距離も少しずつ縮まっていきました。

戦後は学校給食を通して脱脂粉乳や牛乳に触れる機会が増え、家庭用冷蔵庫の普及とともに、牛乳や乳製品を日常的に保存して飲む暮らしも広がっていきます。

一方、1935年には乳酸菌シロタ株を使った「ヤクルト」が発売され、戦後には全国へ普及。「乳酸菌を毎日の健康のためにとる」という考え方も、日本人にとって身近なものになっていきました。

1950年代|最初に広がったのは「甘いヨーグルト」

当時、日本で親しまれたのは砂糖や香料などを加え、寒天やゼラチンなどで固めた甘いハードタイプが中心でした。
つまり日本では、ヨーグルトはまず、「健康食品」より「デザート」として広がったのです。
一方で、健康や美容への関心も早くからあり、日本のヨーグルトには当初から、おいしさ+健康への期待という二つの顔がありました。

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